クリニックとしての救急対応 【麻生区栗平駅の「救急(準救急)」】
クリニックとしての救急対応
夜間や休日など、医療機関の一般診療時間外での急な症状やケガなどで、すぐに受診した方が良いのか、救急車を呼んで一刻も早く搬送してもらうべきなのか、次の診療時間まで待って良いのか、迷うことがあると思います。
今回は病院で救急医として救急外来を担当してきた経験から、私たちが考える救急受診のあり方についてお伝えしようと思います。
救急医療の現状
総務省消防庁の公表資料(令和6年1月20日)によると、ここ20年で全国の救急出動件数や搬送人員は増加の傾向にあります。内容としては、「急病」「一般負傷」が増加、また年齢区分として高齢者の増加が目立つことから、全国の人口構成の高齢化が件数に大きく影響していると考えられます。
搬送人員の傷病程度別(初診時の医師による判断)で見ると、3週間以上の長期(重症)ではないものの入院が必要とされる「中等症」の増加が目立っており、外来診療のみで帰宅可能とされる「軽症」はわずかながら減少傾向にあることから、救急車の適正利用が進んできていると考えられます。
とはいうものの、現時点で「軽症」は全国平均で約47%を占め、東京都では52.8%(東京消防庁公表、令和6年データ)と半数以上が入院を要さないと判断されています。つまり、救急搬送される方の約半数は必ずしも搬送先が入院設備を持つ病院でなくとも対応可能ということになります。
日本の救急医療体制
日本の救急医療は、重症度によって一次(初期)救急、二次救急、三次救急と役割分担の体制がとられています。
| 医療機関 | 役割 | |
|---|---|---|
| 一次救急 【初期救急医療】 |
在宅当番医・ 休日夜間急患センター |
主に、独歩で来院する軽度の救急患者への夜間及び休日における外来診療を行う |
| 二次救急 【入院救急医療】 |
入院を要する救急を担う医療機関(救急病院) | 高齢者救急をはじめ、地域で発生する救急患者の初期診療と入院治療を主に担う。医療機関によっては、脳卒中、急性心筋梗塞等に対する医療等、自施設で対応可能な範囲において高度な専門的診療を担う。 |
| 三次救急 【救命医療】 |
救命救急センター | 緊急性・専門性の高い脳卒中、急性心筋梗塞等や、重症外傷等の複数の診療科領域にわたる症例や診断が難しい症例等、他の医療機関では治療の継続が困難かつ幅広い疾患に対応して、高度な専門的医療を総合的に実施する。 |
(厚生労働省 研究会資料等を参考に作成)
地域ではそれぞれの医療機関が上記の役割分担をしており、軽症の対応は初期救急医療機関が担うことになりますが、軽症に当たる方が救急要請した場合はどうなるでしょうか。一見、軽症に見える方の中には実は重症の場合があったり、救急搬送を開始した後に状態が変化することもあるため、しっかりとした知識・経験・技術のある専門家により、状況に応じた適切な判断材料(病歴や診察の所見、検査結果など)を基に判断する必要があります。また、そもそも救急搬送を受け入れる初期救急医療機関は少ないという現状もあります。
そのため、救急要請により現場に駆けつける救急隊としては、現場で軽症と考えても二次救急医療機関以上へ搬送することが多くなります。結果として入院設備を持つ救急病院が入院を必要としない救急患者さんに対応する必要が増えています。
マチカド総合クリニックの取り組み
マチカド総合クリニックでは、独歩で受診できる患者さんだけでなく、土日祝日や一部夜間も含めて救急搬送に対応することにより、入院救急医療機関へ集中する負担を軽減し、救急搬送される患者さんの待ち時間も少なくすることを目指します。超音波検査やCT検査など高度医療機器を備え、救急医療のレベルを落とさずに入院の必要のない方には必要な検査・処置を行い、安心して自宅療養できるようご案内します。また診察の結果、入院治療やより高度の処置・検査が必要な場合には速やかに高次医療機関へ搬送できるよう、連携体制を構築しています。
救急車を呼ぶべき時とは?
厚生労働省から「上手な医療のかかり方」の情報(https://kakarikata.mhlw.go.jp/index.html)が公表されており、安心して地域で暮らすための救急医療体制を維持するために大切な情報があります。「こんな時は迷わず119」には消防庁の広報資料を基にした救急車を呼ぶべき症状についても記載されていますので、いざというときに備えて見ておくとよいでしょう。
このブログでも、救急車を呼ぶべき状況、救急車の呼びかたなどについてまた別の記事でお伝えします。
当院でできること/できないこと
当院でできること
- 診察
- 血液検査、尿検査、迅速検査(インフルエンザ、コロナ)
- 画像検査(超音波、レントゲン、CT)
- 治療(点滴、抗生剤など)
- (必要時)高次医療機関への転院紹介
当院でできないこと
- 入院治療
- 心臓・脳などのカテーテル検査・治療
- 内視鏡検査
診療時間
- 月・木・金 9時~14時、15時~21時
- 土・日・祝 9時~14時、15時~18時
お困りの際はいつでもご相談ください。
すぐに救急車を呼んだほうがよさそうな症状の例
- 冷や汗を伴うような、締め付けられる胸の痛み、重苦しさ
- 意識を失った、意識の状態が悪くなった(視線が合わない、いつもの会話が成り立たない)
- 顔面や手足の動きや感覚に突然意図しない左右差が出た
- ある瞬間に突然始まった強い頭痛、胸痛、背部痛、腹痛
- 呼吸の仕方がおかしい、呼吸に伴う変な音がする
- 顔色が悪い、くちびるの色が紫色
- 交通事故などの強い衝撃を受けたり、大量出血を伴うケガ
早めの受診をお勧めする症状
- 皮膚のかゆみ・赤み(呼吸の苦しさやふらつき・めまいなど他の症状を伴わない場合)
- 動物に手を咬まれた、虫に刺された(息苦しさや気が遠くなるなどがあれば救急車)
- 手足の変形を伴う外傷
- スポーツ中にふくらはぎや太ももに突然の激痛
※救急車を呼んだ(119番通報した)時にはこんなことを聞かれます。
- 火事なのか、救急車を呼びたいのか(消防車も同じ119番)
- 住所(どこに救急車に来てほしいか)
- 電話番号(途中で電話が切れた場合の連絡先として)
- 近くの目印となる建物など
- 誰が、どうしたのか(なぜ119番をかけたのか)
- 電話しているのは誰か(本人?家族?近くにいた人?)
